Dear to me
〜２章 〜天使の反撃
あれから二日が過ぎた。
あの後道行く人に助けられ病院で手当てを受けた後、医者や家族に散々叱られたが,
私は心ここにあらず状態だった。
彼女の言葉が私の中で何度を繰り返される。
昨日は美亜と杏奈が心配して来てくれたみたいだけどまったく覚えてない。
今日もこうして窓の外を何を考えることなくただぼ〜っと眺めてるだけで終わった。
ご飯にも手をつけて無い、看護婦もかなり心配してるみたい。もう何も考えたくない、
何も見たくない、私はそんな感じで窓の外を眺めていたらいつのまにか眠ってしまったらしい。
朝起きたら担任が椅子に座っていた、どうやら私のことを心配して学校を休んで見舞いに来てくれたらしい。
「よ、生きてるか？」
私はしゃべることが出来ないのでとりあえずうなずく。
「そうかそうか、けどお前今死んだような顔してるぞ」
なんて失礼なことを言うやつだと思ったが実際自分でもそんな顔をしていることは想像できたので
反論はしなかった。
病院の病室に運ばれた後、声を殺して何時間泣いたかわからないからだ。
その後泣き疲れて寝て、起きてまた泣いてと赤ん坊のようなことを２，３回繰り返した。
顔も洗ってないから酷い顔なのは当然である。
「失恋したんだって？それでこの様かい、情けない」
担任のこの一言には少しムカッとした。
だが続けて担任は言い放った。
「そんなのさったと忘れて傷直して学校に復帰して来い。
たかが一回の失恋じゃないか」私の中で何かが弾けた。
（それで忘れられるくらいならこんなに落ち込んでないわこのアホ！これは私にとっては
生涯初めてのマジ恋なんだ！あんたなんかに何が分かる！）
と、口に出して言えないので私は担任を親の敵のように睨みつけた。
そんな私の顔を見て担任は優しく微笑んだ「やっとお前らしい生気が戻った顔になったな」
そう言われ、私はあの日以来感情を表に出してることに気が付いた。
「睨み返す気合があるならこれからどうするかよく考えろ。 お前は直接振られた訳じゃないんだろう？」
そう言われ、私はハッとなった。「結果がどうなるかわからんがお前なりに意地を通してみな」
そう言って担任は今から学校へ戻ると言って帰っていった。
一人になり私は考えてみる、（確かにあの沙希って子の言ったことは事実だろう。
でもそれは健君が私のことを彼女が助けたと勘違いしているわけで・・・）
そこで私はあることに気が付く。
（直接面と向かって振られた訳じゃない！健君の記憶が戻れば私にも可能性がある！）
途方も無い賭けであることはわかってる。これで健君がますます錯乱してしまうかもしれない。
でも・・・（私はここで諦めたくない！）
その思いが私を突き動かした。それから数時間後・・・
「はあ〜真澄大丈夫かしら？」教室の片隅で美亜がため息をついた。
「昨日見舞いに行った時なんて死人みたいな顔してたからな・・・。相当ショックだろうな・・・」
杏奈も昨日の真澄の様子を思い出しため息をつく。二人は真澄をどうやって元気づけようか朝から
考えていたがいい案が浮かばず、結局ふりだしに戻るを何回も繰り返していた。
「お、何だお前らまだ居たのか」偶然担任が教室を通りかかり、二人に気づいて声をかけた。
「すみません先生、真澄のこと考えてたから・・・」
美亜が言うと
「真澄のことが気になるなら見舞いに行ってきたらどうだ？」
「でも今の真澄の状態じゃ・・・」
杏奈が悲しげに言う。
「そうか？俺にはいつも以上に火のついた目をしてたぞ」
二人は担任の言ってる意味がよく分からず、互いに顔を見合わせた。
「とにかく病院に行け。そうすれば分かる」
そう言われ、二人は病院へと赴き、真澄の病室を訪れたが真澄はいなかった。
「また抜け出してるのかな？」
二人が話てると
「あら、片瀬さんならリハビリルームにいるわよ」と教えてくれた。リハビリルームを訪れた。
二人は信じられない物を見たような錯覚に陥った。真澄が回りの人の４，５倍はある
リハビリメニューをこなしていたのだ。
「ち、ちょっと真澄！」
美亜と杏奈は慌てて駆け寄る。
それに気づいた真澄はリハビリを一時やめ、二人にかけよよった。
「こんなことしてたら体がもたないぞ！」
杏奈の言うとおりである。
心配する二人に真澄は今朝病室で担任と話した内容とその後
自分で考えたことをメモとジェスチャーで二人に伝えた。
そうして真澄はまたリハビリに戻って行った。
「真澄元気になってよかったね」
美亜は嬉しそうに言う。
「やっぱ真澄はこうでなきゃな」
杏奈も嬉しそうである。
（絶対に諦めない！）
心に決めた固い決意と共に真澄はリハビリに励むので
あった・・・。
第３章に続く
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